最先端を行く人の伝記的な本は、視野を広げるのに本当に効果的です。
今こそ知っておきたい経営者、イーロン・マスク。
世界を変える人が普通の人のわけがない
一般ピーポーの私が言うのは憚られるわけですが、数多くの有名な経営者と同様、イーロン・マスクもやはり「変わり者」なのです。
それは、スティーブ・ジョブズにも非常に通ずるところがあると触れられています。あるいはジェフ・ベゾスや、ビル・ゲイツといった超ビッグテック会社の創業者達は皆共通してそのような特性を持っているようです。
要は、かなりの”嫌な奴”・・・というわけです。
その中でもマスクはド級のぶっ飛んだ人柄とのこと。
そもそも自らが優秀なエンジニアでありプログラマーであり、物理学を根本から理解しているのが強み。
であるから、メンバーが自らの理想と異なるアクションをしていたり、期待するスピード感を出せない場合は、罵詈雑言を浴びせ、簡単に首も切ってしまうそうです・・・
しかしそれは、いわゆる一般人の視点での感想。
マスク本人は自らの理想に突き進んでいるだけなのですね。結果として素晴らしいアウトプットを出し、周囲を黙らせてしまうというわけです。その裏で苦しむ従業員達もいるのでしょうけれど、そういったメンバーも、大きな成果を得ることによる達成感でその辛さはカバーされているのかもしれません。
やりたいことをやる
スペースXで民間企業として世界一ロケットを打ち上げ続けていて、しかも使い捨てではなく戻ってくるという仕組みを成功させている。
テスラでは電気自動車を世界一販売していて、電気ステーション網構築や、モビリティとしての稼ぎ方の概念を覆してしまっている。
ヒューマノイドや生成AIへの投資もしており、未来の社会の形を変えていく最前線にいる。
近年は、Twitterを買収し、言論の自由だけでなくソーシャルと決済の融合を目指している。
なんだかもう、規模が違いすぎて、目指すところが違いすぎて理解が追い付かないわけです。
これら全ては幼少期の頃思い描いたSFの世界を実現するというモチベーションから来ているようです。
人類を火星に送らなければいけないという自らのミッション。
未来人はスマートなカッコいい車で、環境にも優しい自動運転車で街を移動していなければならない。
それらの社会ではヒューマロイドやAIが人類をサポートしているはず。
誰しも子供の頃に描いた理想や願望があったと思います。
それに素直に従い、自身を動かしているというところが非常に興味深い。私も含め多くの人は、大袈裟に言えば、夢は諦め、妥協し、生活をするために誰かが作ったルールに従っていると思います。
ただ、そんなのクソくらえと思えて、かつ行動に移せるマスクのような人を心から尊敬するわけです。
オールインする
この本でよく出てくるキーワードの”シュラバ“。修羅場のことです。
修羅場というとネガティブなイメージですね。マスクのプロジェクトでも数多くの修羅場があります。というか、修羅場を自ら意図して作り出すというのが凄すぎる!
私個人も様々なシーンで修羅場を経験したことがあります。それこそ布団から立ち上がれないような窮地まで追い込まれたこともあったりします笑
その瞬間は本当に辛く苦しいのですが、乗り越えた先には達成感に加えて、成長を感じられるというのもまた事実です。
修羅場の最中は謎のハイテンションになったりもします。
こういった追い詰められた状況から生まれる革新というのは多いのだと思います。ここは個人的な経験談からも同意。
近年のワークライフバランスや多様性を重んじることはベースにありつつも、誤解を恐れずに言いますが、いわゆるブラックな働き方から生まれるものもあったりするという事実です。
(とはいえ、マスクの元で働くというのは我慢できる限界は超えていると思いましたが・・・)
修羅場を設けて革新を繰り返し、そしてオールインする!リスクを恐れず、全ベットするという姿勢が一般人の我々にはとても真似できない部分だなと思いました。
イーロン・マスクとは、現在世界で最も勢いと影響力のある経営者だと思います。
その人柄はとてもピュアであり、理想の社会のために自らのやりたいことに全力を尽くしているというだけだというのがすごい。
目先のコストよりも、時間をロスすることを最も嫌うといった考え方にはハッとさせられました。
有限な貴重な時間をどう使うか。この本を読んでみると、そんな根本なことを考えさせられます。
刺激を受けることは請け合い。読んでおきたい伝記だと思います。